
各科紹介

医療制度や介護保険の改革が進み、従来であれば急性期医療を続けるべき患者さまが療養型病院に転院されてくるケースが、多くなってきています。医師も専門性を活かし、主治医として患者さまのこれまでの病歴や現在の病状を鑑みながら、最善と考える適切な医療を継続していく必要があります。同時に、看護師や介護士、リハビリテーション職員、栄養士などとも十分に連携を図り、廃用症候群を予防し、二次的合併症である肺炎や褥瘡などを起こすことなく、患者さまが安心して安全に療養生活が送れるように、日々、診療を行っています。
代謝内分泌科医師1名、脳神経内科医師2名、消化器科(内科)医師2名、呼吸器科医師1名、外科一般(骨折・褥瘡処置含む)医師1名、泌尿器科医師1名、ほか数名。また月1回皮膚科医師の廻診もあります。

当院では一般外来診療の他、入院患者さまへの歯科治療を伴う口腔ケア(口腔管理)も積極的に行っています。
高齢者の肺炎の多くは「誤嚥性肺炎」といって、口の中の細菌が気管から肺へ入ることで生じます。即ち口の中が汚れていたり乾燥していたりすると、匂いがきつくなると同時に肺炎の危険が増します。口から食事をされないで管を通した栄養管理を受けておられる患者さまでは、唾液の分泌が一般的の方に比べとても少なくなるため、口の中を洗う力が弱くなり、しっかりとしたケアを施さないと肺炎になりやすいことが知られています。
口から食事をしている患者さまでも、汚れていたり乾燥していたりすると、飲み込みにくくなって肺炎の危険性が増すだけではなく、食事がおいしく感じられず食欲も湧きません。また、動揺(抜けかかっている歯)の強い歯や残根を放置しておくと、歯肉や顎骨の炎症がひどくなり、痛みや腫れが出るばかりか自然に脱落して飲み込んでしまう危険もあります。
そこで病院内に歯科を併設して口の中の管理にも力を入れています。患者さま一人ひとりの口の中の状態を診察し、必要に応じて専門プログラムに従った治療・管理を提供することが可能です。それによって肺炎などの合併症を予防するとともに、より良い日常生活を送ることが可能となります。

喀痰の吸引や床ずれの処置、24時間点滴などを必要とする患者さまが、これまで以上に増えてきている昨今、私たち看護師は個々の患者さまの状態を毎日看ることで変化に気づき、主治医の治療につなげ、適切な処置を行っています。
看護師は、食事や入浴・排泄などの援助を通し、常に患者さまと向き合う身近な存在です。私たち看護師はもちろん、介護士(ケアワーカー)、入浴介助職員が、精神的にも肉体的にも穏やかで楽しい入院生活が送れるよう、お手伝いしています。

より良い療養生活を送っていただくために、患者さま自身に残された機能を最大限維持することを目指しています。患者さまに寄り添うことを大切にし、患者さまの向上できる機能・維持すべき能力を見極めながら理学療法土・作業療法士・言語聴覚士が、専門的な訓練を行っています。
継続的に関わることにより、患者さまとの信頼関係を築けるよう努めています。

入院時にすべての患者さまの機能評価を実施。各々に適したリハビリ計画を立て、日常生活動作の維持や改善に取り組んでいます。

患者さま各々の能力を発揮していただけるように、起き上がり・食事・整容などの日常生活場面における各動作の維持や改善に取り組んでいます。

言葉がうまく話せない患者さまを対象に、日常生活でのコミュニケーションの維持や改善に努めています。また、食事が上手にとれるように、飲み込みの訓練も行っています。

患者さまの生きがい作りや生活の質の向上などのために、専門のレクリエーションワーカーが季節の行事やクラブ活動(歌、制作、書道など)などを実施しています。また、主体的に楽しむことができない患者さまにも、離床の機会を作り、気分転換を図っていただくために、音楽などのレクリエーションに参加するようお勧めします。
栄養ケアマネージメントを導入後、患者さまに対して個別の栄養ケア計画書を作成し、患者さまの健康状態に合った栄養管理を実施しています。
また、献立も四季毎に作成し、旬の食材を取り入れた和食を中心とし、色彩・盛り付け等を工夫し食べやすく柔らかく調理してご提供しています。

行事食やデザートバイキングにも力を入れており、患者さまやご家族からもご好評頂いております。長期入院を必要とされる患者さまに、食べる楽しみを感じて頂けるよう日々努力しています。

私たち薬剤師は、お薬という特殊な物質を扱いますから、ご入院中の患者さまが安全かつ安心してお薬が服用できるように、その作用や副作用・相互作用などは勿論のこと、お薬の情報を収集して医師へ提供。さらにはあらゆることが直接的・間接的に患者さまに繋がることを常に意識しながら細心の注意を払い、業務を行っています。

検査を行うのは入院時だけではありません。入院中の患者さまに対しても、体調管理や治療のために、医師の指示のもとで適切な検査が行われます。なお、当院で行う検査には、血液や尿、痰、便、皮膚疾患(水虫・湿疹)などの検査を行う検体検査と、心電図や超音波を用いる生理検査の2種類があります。
検査時は、患者さまにとって少しの負担もかからない様に配慮して行っています。

当院では、病気やケガによって身体機能が低下していたり、意識障害のある患者さまの撮影がほとんどです。胸の撮影ひとつとっても、「息を吸って止める」ことが困難であったり、正しい撮影体位をご自身では保持できない方が、多数入院しております。一般病院での撮影とは違う難しさがありますが、患者さまになるべく負担をかけず、医師の診断に適した撮影が行えるよう日々努力を重ねています。

病院データ
概 要
名 称 | 医療法人 若葉会 横浜田園都市病院 |
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開 設 | 昭和63年2月 |
建物構造 | 鉄筋コンクリート4階建 |
病床数 | 375床 |
施設基準 |
療養病棟入院基本料(療養病棟入院料1) 入院時食事療養/入院時生活療養(Ⅰ)認知症ケア加算 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ) 運動器リハビリテーション料(Ⅰ) 呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ) CT撮影及びMRI撮影 薬剤管理指導料 訪問リハビリテーション 他 |
診療科目 | 内科/歯科/リハビリテーション科 |
医療設備 | 全身CTスキャナー・エックス線装置(一般、透視、ポータブル)・上部消化管内視鏡・気管支鏡・心電計・呼吸、心拍監視装置・超音波断層装置(心、腹部)・簡易聴力検査装置・生化学自動検査装置・自動血球計算装置・歯科診療各種機器・リハビリテーション各種機材 |
介護設備 | 特殊浴槽・車椅子浴槽・個人浴槽・車椅子各種 |
その他 | 談話室(大型TV・カラオケ)・デイルーム |